En la orilla del mundo〜世界の果てに〜ライナーノーツ 

 

1、さくらさくら 

市場美惠子 solo(a cappella)introduction  

11、さくらさくら 

重久義明 solo (Improvisation)conclusion 


日本古謡、誰もが知ってる「さくらさくら」を1曲目に

これから始まる物語の導入として私が a cappellaで唄い 

最後の11曲目、重久さんがイメージした同曲の即興演奏で終結と云う形になってます 

大尊敬するOMARA PORTUONDO & CHUCHO VALDESのDuo CDにインスパイアーされ Duoでの制作にここ数年憧れてました 

その大好きなCD「Omara & Chucho」の1曲目にオマーラさんがキューバのソンである 

「Noche Cubana」をアカペラで歌い 最後にチューチョさんが同じ「Noche Cubana」を即興演奏 完全にその形態のパクリ、いやオマージュです(笑) 

レコーディングが決まった時はどの曲をその形で演ろうか?ってノープランだったのですが ある晩突如閃き急遽録音する事にしました  

世界一有名な日本の謡(うた) 

今回のコンセプトである「雅」を表現するうえでの 「Introduction」と「conclusion」にピッタリ!って思って下さったら 私の作戦勝ち!?(笑) 




2、I need to be in love  

ご存知カーペンターズの有名ナンバー 

日本でもドラマのエンディングに使われたり 若い人でも認知度の高い曲 

もう何年もライブで歌いお客さんにも好評 カレンの声と私の声って似てる気がします 

構成はオリジナルと違いますがイメージを壊さず作りました


3、How I wish(Ask me now)  

遂にセロニアス・モンクを歌う日が! 

ここ数年ややこしい音階(笑)を攻略するのが楽しくて 

その最たるものだと思ってます リハする度重久さんとも 「しかしこの楽曲によく歌詞付けたよねー」って(笑) 

お蔭で歌ってる人余り居なくて とことんカーメン・マクレイを聴きまくりました 

これから沢山関わって熟成させたい一曲です 


4、Estate 

数年前に友人から「市場ちゃんが歌ったらエロいと思うから是非レパートリーにしてみて!」と 言われた曲 

アルバム「Amoroso」ジョアン・ジルベルトできっと世界的に有名になった曲だと思います 

ボサノバと云うカテゴリーと考えられてる方多いでしょうが 元々はイタリア人であるブルーノ・マルティーノが作った曲 

「In summer」と云う英歌詞で歌うジャズヴォーカリストも多いみたいですね 

<<夏は嫌い貴方と過ごした熱い日々を思い出してしまうから>> と云う内容 なんとも切ないです 初めて聞いても曲の良さを感じてくれる影響力の大きい名曲だと思います 

尚、レコーディングするに当たり イタリア語指導をしてくださった声楽家の綿貫翔さんに大変感謝してます 


5、野菊の髪飾り  

作詞、私 作曲、重久義明さん オリジナル曲です 初めて作詞した曲がディスクに成りました 

重久さんから楽曲を頂いた時「果たして私に歌詞など書けるのか?」と思いましたが 意外にサクサク、3コーラスできちゃったんですねぇ 自分でもびっくりびっくり! 

ペンタトニックの懐かしい、そして日本らしい曲に 日本語の古い表現を使いました 

現代版「野菊の墓」をイメージ 間奏の部分、可憐な野菊が風に揺れてる感じがしませんか? 

どなたか若い歌手の人に唄ってもらいたいな~と思ってます 


野菊の髪飾り(詞:市場美惠子 曲/編曲:重久義明) 

1,川のせせらぎ 桜並木響く石畳 

紅緋(べにひ)色の帯をした きみを追いかけてく 木遣(きやり)の唄 

誰にも内緒と 野菊の髪飾り赤とんぼ 

ずっと置き去りにしていた 想いを伝えたい好きだよと


2, 青いスニーカー 見失わない様にしの笛の 

濡れたたもとを気にして 甘いかほりの道駆け抜けてく 

指きりげんまん 野菊の髪飾り茜雲 

いつも心に描いてる シャツの裾つまんでうつむいた 


3,見上げた空には 野菊の髪飾り流れ星 

遠い記憶の片隅で 

微笑む君の顔揺らいでる 

切ない想いでを抱きしめた  


6、Como Fue  

キューバの作曲家エルネスト・ドゥアルテが作ったボレーロの名曲 ベニー・モレの名演が有名です 

<<どうしてこんな風になってしまったの? 私には全く分からない でも一つだけ分かる事があるとしたら それはアナタに恋してしまったって事>> 

 とても可愛い「ひと目惚れ」の歌 キューバの曲を歌いたいと思った時出会い 

音源を元に採譜した想い出深い曲 


7、I didn't know what time it was  

大好きなハーツ&ロジャース、黄金コンビが作った名曲の一つ 

<<何もかもわからなくなっていた時に貴方に会った それはこれ以上にないほど素晴らしい時だった 何だかよくわからなくなっていた時貴方が手を握ってくれた それは5月の様な暖かさで、本当に素晴らしかった>>

 ビリーホリディのtakeで知った曲です それももう10年以上も前・・・ 

渋くてカッコいい曲をレパートリーにしたくて 譜面を興し何度もライブで歌いました

スイング感がとても気持ちいい 

重久さんの即興演奏がとても素敵で聴き入ってしまいます 


8、落葉松 

カテゴリー的にこの曲は「日本歌曲」 

クラシックの歌曲になります 

2012年から東京藝術大学で行われる夏の講座にエントリーして 

8月の3日間は藝大生になった気分で上野の校舎まで通ってます 

アリアやイタリア歌曲を自分のライブでジャズと融合したアレンジで歌ったりしてます 

重久さんからの提案でレコーディングしましたが 本番で一度も唄った事が無かったのでとても不安でした 

声楽家の方に聴いて貰った時「良く頑張ってるよね」って言って貰える位の クオリティにはなったと思ってますけど 

さて?どうでしょうか?(笑) 


9、Smile  

チャップリンの映画「モダンタイムス」から有名なナンバー 

最初のアレンジから何度何度も変化してこの形になりました 

(日本語+スペイン語+英語と3カ国語で歌う予定でした) 

一番迷走した曲なので想いがとても深いです 

人々に希望を与える今の時代にピッタリな内容です 

重久さんの間奏は環境音楽みたいで癒されます 



10、En la orilla del mundo~世界の果てに~  

タイトルソング 絶対レコーディングしたいと思ってました 

もうこれ一曲でも良いって思ってました 

 キューバの曲ですがLatin愛好家の中では知名度が余りなく チャーリー・ヘイデンがゴンサロ・ルバルカバと共演したCDが有名なので ジャズミュージシャンの方が認知度高いですね  

ただインスト演奏が多く歌ってる人が殆ど居ません アジア圏では私だけ?かも・・・・

 誰か歌ってる方いらしたら教えて下さい この曲への想いを語り合いたいです  

TV番組や映画の翻訳を沢山してる 私のスペイン語の先生矢島千恵子さんに歌詞翻訳お願いしました メタファーが多くとても難解な歌詞を素敵に訳してくださいました 

キューバの革命家を唄ったものではないか?と云うのが先生の見解です

★(正確には「世界の果てで」なんですけど サウンド的に「世界の果てに」が良いと私が勝手に変更しました) 


 En la orilla del mundo~世界の果てに~   詞/曲マルティン・ロハス

Se fue tornando purpura a su paso   

歩んでゆくうち 彼は紫に染まっていった 

un camino inexplorado   

そこは未踏の道 

el no lo advirtio.  

彼はそれに気づかなかった 

Llovio sobre su frente y sediento,   

彼の額に雨が降り 喉の渇きから 

consumio el agua del tiempo  

彼は時の水を飲みほした 

el no lo advirtio. 

彼はそれに気づかなかった 

 Anduvo veinte anos 

彼は20年も歩いた 

sin saberlo sin dolerse  

そうとは知らず 苦にもせず 

la mirada rota sin ver el color   

そのまなざしは疲れ果て 

de la distancia que se hizo familiar   

長い道程に慣れ親しんだ色さえ見えず

como las piedras que hirieron su carne   

彼の肉体を傷つけた小石や 

como el polvo del camino aquel   

あの道の埃は 

que aun despues de haber andado   

歩き通した後もなお 

convirtiose en un sendero arido y cruel.   

乾いた過酷な道へと変わった 

No pudo mas y exanime rodo   

もう一歩も歩けず 疲れ切って転げ落ち 

sobre la arena casi delirante   

砂の上で朦朧としながら 

como alucinado diviso   

幻覚のように かすかに見た 

el gris contorno de un paraje   

ある場所の灰色の輪郭を 

era la orilla del mundo   

それは世界の果て 

en la que jamas pudo reposar   

彼が決して休むことのできなかった場所        


訳詩:矢島千恵子



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